琢磨選手のフロントウイングアジャスト

レース前の土曜日に「フロントウイングアジャストに注目!」
http://blog.gaora.co.jp/indy/2013/06/7114
と予習記事を書きましたが、見事に”テストに出た”感じでしたね。



おさらいすると
ウイングのエンドプレート上にある”T”型のノブを回すと
フロントアッパーウイング(FUW)の角度が変わります。

その変化量はハーフターンで0.34度、1ターンで0.68度です。
琢磨選手のレース中のアジャストは以下の通りでした。

1回目 2ターン=1.36度
2回目 1.5ターン=0.68度
3回目 なし
4回目 2ターン=1.36度

最後のスティントではスタート時から比べると
3.4度もフロントアッパーウイングが寝かされたことになります。
なので、フロントのトータルダウンフォース量は相当減らされたことになります。

これで相対的にフロントとリアのグリップ量のバランスを取るわけですが
午前中に大雨が降った路面にはレースが進むにつれ
タイヤが擦りつけられてタイヤのグリップは上がっていきます。

この路面グリップは上がる
フロントのダウンフォース量は下がるということで
前の車に近づくとそうとう不安定になっていたと想像されます。

さらに周回を重ねるごとに燃料は減ってゆき
リアは徐々に軽くなっていきます。

あとはタイヤのへり。
50周以上も走ると時速10マイル以上もの速度低下がありました。
もう、これはエンジンパワーとかの問題ではありません。
エンジンパワーは250周を通じで低下することはありません。

そのような状況の中で変化してゆくハンドリングバランスを
ピットインごとのウイングアジャストと
走行中のコクピット内でのウェイトジャッカーアジャストや
アンチロールバーアジャストで調整していきます。

これらを克服して上位を狙うことが、ショートオーバルレースの醍醐味であり
難しさでもあります。

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