視聴者に分かりやすいレース実況

以前にGAORAで放送していたスーパー耐久シリーズ。このときは現場に中継車を出して、現場で実況解説していました。

中継車があれば、私の指示通りのカメラワーク、スイッチングができるのでだいぶ楽に実況と映像を合わせることができます。

インディカー中継の場合は映像に映っていないことは把握できませんが、サーキットで実況ができれば映像に映っているもの以外も見えるので、いろいろと実況アナウンスすることができます。

下の8項目はは2005年に某レースアナウンサー向けに書いたリクエストです。やはり、サーキット場内実況とTV用のレース実況では求められる情報に違いがあります。なので、下記の内容をかなり意識してやってもらいました。TV視聴者にとっては画面に映っているものがすべてなので、下記のうちのどれかでも欠けると、非常に分かりにくい不親切な実況になります。

> ①スタートドライバーの確認
なるべく誰がドライブしているかを伝えてください。
特に、その日にはじめて映る車はドライバー名を言ってあげてください。

> ②坂東さんが使う専門用語、技術用語のフォロー
「タイヤがタレる」「2キロ持たないと苦しい」「パーコレーション」など、何気なく出てくるがレース初心者にはわかりにくい言葉のフォローをお願いします。

> ③坂東さんのツッコミインタビューのフリ
ただ「○○ランサーのインタビューをお聞きください」だけではなく、マクラをなるべくつけるようにしてください。たとえば、「今回3位以下になると逆転タイトルの目はありません、小川ランサーのインタビューです」のように、インタビューされるドライバーの境遇を説明があるとGOODです。インタビューするチームは必ず注目する理由があってインタビューされるのです。

> ④ピットインしたクルマのピットイン回数とその周回数を言う。
編集の都合上、全部のピットインが放送されるわけではないので、何回目なのかを確認してください。

> ⑤タイム差をチェックする
「現在2番手のニコカットポルシェ、先ほどの周回数では3秒差となっています」
単独で映像に映る車の前後の距離感が視聴者にはなかなか伝わりづらいので、モニター上に表示されているラストラップのタイム差などを極力入れるようにしてください。

> ⑥リードチェンジを必ずフォローする
スーパー耐久ではクラストップがピットインした時にだいたいリードチェンジがあるので、強調してアナウンスしてください。テレビ視聴者にはこのときのクルマの前後関係の変化が非常にわかりにくい部分です。
また、前の車がピットインしたためにトップに立ったクルマがルーティンストップする時にポジションの前後関係をわかりやすくフォローしてください。
また、トップがピットストップしたにもかかわらずに順位変動が無い時は「トップのオーリンズランサー、2回目のピットストップを終えてコースに復帰します。しかし、2番手の小川ランサー、最終コーナーにまだ姿を見せていません・・・」と言うようなアナウンスをお願いします。

> ⑦CUEワード、CM明け
なるべくその時点までの流れを軽くおさらいする。
たとえば「レースはまもなく3分の1を消化しようとしています」
「ST3クラス、ここまで全く順位変動がありません」
「ST5クラス、激しい順位争いが展開されています」
「オーリンズランサー、相変わらずの独走態勢です」など。

> ⑧画面上には何かアクシデントが起こっているのに、橋澤さんや坂東さんが喋り続けている場合、急を要する場合は「ああっと坂東さんちょっと待ってください、クラストップがコースアウト!」などといきなり話しをさえぎって無問題です。
クラス3位以下など、あまりレースに影響が少ない場合は、喋りが終わってから「先ほど坂東さんのお話の途中、画面上には○○のコースアウトシーンが映っていました・・・」のように簡単にフォローすればOKです。

2件のコメント

  1. 1から8を見ているだけでも、レースを見てる気分になりますね(*^_^*)

    野球の実況がテレビよりラジオの方が楽しいのに似てる気がします
    1. このような配慮があるかないかで
      レースの作戦や流れをものすごくわかりやすく伝えることができます。

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