コメンタリーが何気なく言った一言を解説する①



43周目あたりでのこと。

村田
「パワステの無いインディカーでは本当に(このバンピーな路面では)厳しいですね」
「これ、腕の感覚が無くなってしまうんではないですか?」

武藤
「まあ、キャスターの量でハンドルの重さを変えるんですが・・・・」

さて、このキャスターとは。

上の図のように
ハンドルを切った時に前輪が左右に向きを変える「回転軸と路面との角度」
のことを言います。

このキャスター角度を大きく(寝かせる)と直進性は良くなりますが
その代わりにハンドルは重くなります。

この直進性の感覚ですが、
このようなキャスターバッグがわかりやすいでしょう。


写真では引っ張っていますが
これを逆向きで押した場合。
ある程度角度を寝かせないと、うまく真っ直ぐに進みません。
直立に近い形で押しても蛇行してしまいます。
上のようなキャスターバッグを引いてエレベーターに乗って
そのまま逆向きでキャスターバッグを押す時などがそうですね。

ちなみにオーバルレースではキャスター角度を左右で違うものにします。
インサイドは角度を小さく(立たせ)、
アウトサイドは角度を大きく(寝かせ目)にします。
そうすることによって、自然に左に切れ込むようになります。
この左に旋回し始める動きを”ローテーション”といい、
オーバルでのセットアップの重要なポイントのひとつになります。

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