【佐藤琢磨レースリポート】 インディカー第12戦トロント 



インディカー第12戦は、舞台をカナダのトロントに移して開催された。

フリープラクティスで調子の良かった佐藤、予選のRd1はグループ1から出走して、グループ3位となる。

Rd2に進出した佐藤だが、ターン8でヒルデブランドがウォールに接触してしまい赤旗中断となり、全車one timed lapでのアタックとなってしまい、佐藤はトラフィックに阻まれRd1のタイムも出せずに10位で終わってしまった。
「明日はサバイバルレースとなるだろうから、いいクルマを用意して、最後まで集中したいです」と佐藤は決勝への意気込みを語った。

日曜日の午前中に行われたウォームアップは、7番手のタイムを出し、クルマに強い手応えを感じて決勝に臨んだ。

午後3時45分グリーンフラッグ。スタート直後の3コーナーで、ディクソンとパワーが接触して、いきなりフルコースコーションとなる。この時点で佐藤は7番手まで浮上していた。コーションが開けてからは、5位のヒンチクリフが、後方を抑える形でレースが展開。ロッシも佐藤もヒンチクリフを処理することができないまま、最初のピットウィンドウに入った。

ここでヒンチクリフ、ロッシなど佐藤の前後を走っていたクルマがピットインする中、佐藤はステイアウトを選択したが、その後ピットアウトしたカナーンが単独クラッシュしてしまい、フルコースコーションとなってしまう。これでまだピットインしていなかった組は一気に後方に下がってしまい、佐藤も18番手まで下がってしまった。

リスタートが切られた直後、佐藤は前を行くピゴットを捉えようとしたが、ピゴットの執拗なブロックで、タイヤを破損してしまい、その影響でフロントウィングも壊してしまい、再びピットインを強いられた。

なんとか同一周回でコースに戻れたが、前と大きく差を付けられてしまった。佐藤はそこから猛プッシュで、前との差を縮めて行く。最後のルーティンでのピットインで、本来はブラックタイヤを履くはずだったが、1セット破損してしまっていたために、レッドタイヤに履き替えてコースに復帰。最初のペースは良かったが最後はタイヤのグリップが無くなり、なんとか16位まで挽回したところでレースを終えた。



【琢磨選手のコメント】  非常に悪い展開のレースとなってしまいました。午前中のウォームアップもいい手応えを感じていましたし、レース中のブラックタイヤでの走行も、かなりいいペースで走れていただけに残念でした。とにかく今日はすべてタイミングが悪かった感じです。後方に落ちてからも、リーダーの前でピットアウト出来て、その後リーダーを離す形で周回を重ねることができただけに、もう一度イエローが入ってくれれば、追い上げるチャンスもあったかもしれません。最後のスティントもブラックタイヤで行くはずでしたが、ピゴットとの接触でタイヤを1セットダメにしてしまい、最後のスティントは仕方なくレッドタイヤで行きました。最後のスティントは予選を走っているように毎ラップ必死で走り、後方グループに追いついて何台か抜くことができましたが、最後はタイヤがズルズルになってしまい、抜いたクルマに追い掛け回される状態だったので、非常に苦しい展開でした。

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