実力で勝利をもぎ取ったニューガーデン
運だけで勝ったと思われがちなニューガーデンの今回の勝利ですが、十分な速さを見せての勝利でした。
最初のピットストップ前でトップから3秒4遅れの4番手。その時点で5番手のピゴットには15秒以上もの差をつけてコンマ8秒差で3番手のレイホールを追っていました。速さではトップ勢について行っていました。
一方でニューガーデンから10秒以上遅れていたヒンチクリフが早めにタイヤ交換に動いたのはわかりやすい作戦ですが、レイホールに引き離されずに追い続けていたニューガーデンがフューエルウインドウに入った時点でタイヤ交換にピットストップしたのはチームとしてはなかなかの英断だったかもしれません。そのままラップリーダーについていく作戦もあったわけですから。
運命を分けたTカナーンのクラッシュによる23周目のフルコースイエローですが、そのリスタートでジョーンズとキンボールがステイアウトしましたが、その後2番手に上がったロッシはニューガーデンに6秒近い差をつけられ、ニューガーデンのしっぽをつかむことさえできませんでした。
予選こそ1ラップ予選で失敗したニューガーデンでしたが、ファイナルプラクティスでは21台中最多の28周を走行してトップタイムをマークしていました。
2回目のピットストップも54周目と言うフューエルウインドウギリギリで真っ先にピットインして7秒台のピットタイムも完璧。
その後はフルコースイエローが無かったのも結果論。
HカストロネベスもSパジェノーもラストスティントは順位を上げられていないのでトップ勢のラップ差は極めて小さいものであったことがわかります。
こうなると、作戦を変えないと状況に変化はなく、あの時点でTOP4勢では真っ先にピットインしたニューガーデンはTKイエローが無かったとしても”アンダーカット”を成功させていたのではないかと想像します。
ピットタイミングを外して7位から18位にまでポジションダウンした琢磨選手でしたが、その一つ後ろでピットアウトしたJRヒルデブランドがその後は12位まで上がっているので、リスタート後のピゴットとの接触がなければ、そのあたりのポジションでフィニッシュできていた可能性もあるわけです。
もしくは、一時は11位まで落ちてきていたMアンドレッティが4位フィニッシュしているので、さらにポジションを取り返してのフィニッシュもあり得たはずです。
ニューガーデンもレースカーが決まっていなければロッシにやられていてもおかしくありません。今回はミスのないドライビングを見せたニューガーデン、状況判断が正しかったシンドリック、完璧なピットワークを見せたピットクルーにアッパレです。
今回のニューガーデンのような勝ち方や開幕戦のブルデイの優勝のような展開があるのもインディカーの醍醐味です。
それにしても、あのコースで30年以上もレースを続けてきているインディカードライバーってすごいですね。
最後はインタビュー祭りになりつつ現地CNBCと一緒の3時間ちょうどの生中継でした。
やはり中継前に新幹線内たった2時間だけの仮眠では集中力が続かずにトークバック情報間違いだらけで申し訳ない!
様々なことが起こりうるのがインディカーレースですし
それがインディカーレースの醍醐味の一つですよね。