ゼロ発進からたった3回のギアチェンジで350キロオーバーに達するインディカーのトランスミッションの”ひみつ”




インディカーは全車がXトラック製の6速トランスミッションを使っています。オーバルトラックではリバースギアは入りません。



その6速のうち、4速、5速、6速を”トップギア”として使います。その差はわずか100回転から数100回転です。



6枚入れるギアのうち3枚がトップギア・・・・。
なので、発進から時速230マイル(時速352キロ)オーバーまでたった3回のシフトチェンジで到達するという超ロングギアです。



なので、1速もものすごいロングで、まるで市販のMT車で3速発進するような感じになります。非常にエンジンストールしやすいので、ドライバーはピットアウト時にエンジンストールしないように思いっきりタイヤを空転させてピットアウトします。



幸いにもスタッガーがついているので、右にハンドルを切るとグリップが少なく割と簡単に空転しますが、それでもエンジンストールは多発します。ドライバーの腕が悪いのではなく”3速発進”を強いられているからなのです。



で、トップギアですが、通常は5速を使用。ドラフティングに入って車速が伸びたら6速を使用し、先行車に詰まったりした場合などには4速に落とします。



予選は単独走行なので、通常は5速。追い風で速度が伸びたら6速を使います。



この6速のレシオをどうするかが重要で、エンジン的には回転が伸びきってるのでわずかな歯車数の違いで回転が引くなりすぎてトルク不足を引き起こします。そうすると逆に速度が伸びません。



予選では風向きと風速、そしてどんなギア比の6速ギア入れるかがカギになります。



ポールポジション獲得が期待された佐藤琢磨選手でしたが、チーム無線では5速ホールドの指示が出ていました。



インディカーのエンジン回転数は12000RPMで、インディカーから供給されるリミッターが搭載されます。

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