トロントの路面をつかめ!


http://www.indycar.com/News/2016/07/07-16-Toronto-tire-grip
トロントでドライバーたちが置かれている状況ではっきりと予測できることは、ドライバーたちは路面状況の変化が全く予測できていないということです。

トロント博覧会跡地のエキシビションプレイス内に設けられた1周2.87㎞、ターン11のコースはコンクリート舗装とアスファルト舗装が混在する上に、新たな部分再舗装(パッチ)が加えられて、路面表面はめまぐるしく変化する上にバンプはさらに増やされています。

「シーズンで一番難しいトラックで、まるでレースカーとダンスをしているようだ。どこコーナーでもスライドするのでその都度カバーしなければならない」とSパジェノーはコメントしています。

ファイアストンが持ち込むプライマリータイヤはセントピート、ロングビーチ、デトロイトで使用したものと同じですが、ストリートレースでは事前テストができず、チームとドライバーは毎年変化する路面状況にうまく対応しなければなりません。

ファイアストンタイヤのチーフエンジニアであるデイル・ハリグル氏は同じタイヤを使うことでチームにはタイヤに関するデータが蓄積され、それぞれのコースでのセットアップを進めることができると、同じ仕様のタイヤを使用する理由を述べています。

今回問題となったのは一部の再舗装されたコンクリート部分がレースカーが通過するごとにタイヤで磨かれてツルンツルンになってしまい、全くグリップしなくなってしまったことでした。インディカーは急きょ金曜日の夜中に徹夜で作業をしてその部分をサンドブラスト(やすり掛け)してラバーのノリをよくして、よりグリップを上げるようにしました。

Cキンボールによれば最もコンクリート舗装とアスファルト舗装でグリップレベルの変化があるのはターン1だといいます、
「ターン1はブレーキングゾーンにバンプがあってフロントタイヤが跳ねてしまってまともにグリップしません。そしてコーナーの真ん中でグリップが無くなって外側のウォールに向かってスライドしていって突然グリップを取り戻します。それも、毎周どのタイミングでどれくらいのグリップが回復するのか全くわかりません。」

ターン3、5、8もターン1と少なからず似た状況になります。

レースが進むにつれ、路面にはタイヤのラバーがどんどん乗っていきますが、それは状況が改善されてゆくという意味ではありません。今年からピット出口はターン1進入直前の位置から最終ターンすぐ脇に移され、新品タイヤに交換してピットアウトしたあとは冷えたタイヤでこれまで以上に長い時間ストレートを走ってより高い速度でターン1に飛び込まなければりません。しかも、その手前には去年までは通ることがなかった大きなバンプがあります。

長い裏ストレートの後に待ち構える鋭角のターン3にも十分にタイヤがあったまっていない状況で飛び込むことになります。

トロントでのレースカーの挙動とブレーキングバトルにも注目です。

2件のコメント

  1. アイオワもバンプが増え、今回もこのような状況なら、もてぎの3コーナーもイケるんじゃないかと考えるのは安直でしょうか!?
    1. いわゆるバンプというものはかなり緩やかな盛り上がりで、
      超高速のレースカーが走って初めてバンプと認識します。
      アイオワなどのオーバルのバンプはわずか1センチくらいしかありません。
      オーバルは超高速で走るだけにわずかな高低差も大きなバンプになります。
      しかし、もてぎの段差はバンプではなくギャップで、いわゆる数インチ高さの断層がある状態です。
      これを超高速で走っても底を打たないようにするにはほぼ半周を再舗装しなければなりません。
      もてぎのオーバルには2か所のアンダートンネルがあって段差は4か所で発生しています。
      なので実施1周丸ごとの再舗装が必要となります。

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