自滅していったペンスキー勢
最終戦をポイント4位で迎えたWパワーは執念のブラックタイヤアタックで今季6回目のポールポジションを奪い、ポイントリーダーだったJPモントーヤ(予選5位)もポイント2位だったGレイホール(予選6位)も予選ファスト6に入りました。
対して、ポイント5位のHカストロネベスは予選Q1敗退(予選15位)、ポイント3位のSディクソンもQ2敗退(予選9位)と大きく出遅れました。
もう、この時点でJPモントーヤが大きく有利となったのは疑いのないところ。Wパワーが勝ってもモントーヤが9位以内でフィニッシュすればタイトルはモントーヤという状況でした。
しかし、
Hカストロネベスは3周目に破損したフロントウイング交換のためにピットインして”終了”。
次のペンスキー勢の失態は各車の1回目のピットストップ。 SパジェノーはWパワーと交錯して大きく順位を下げてしまい”終了”。L14でピットインしたSディクソンに対して2周遅れでピットインしたモントーヤはSディクソンの2つ後ろでピットアウトして、ここはディクソンが”アンダーカット”成功。
次のペンスキー勢の失態は2回目のピットストップ。 L33にLフィリッピのスローダウンが原因となった1回目のフルコースイエロー。残りを2ストップで行くには若干早いピットタイミングでしたが、SディクソンはWパワーの前でピットアウト。
ここでディクソンを前に出してしまったことが結果的に決定的に流れを変えてしまいました。
ペンスキー勢の次の失態はそのリスタート直後。 モントーヤがパワーに追突して2台とも最後尾まで後退したうえに、フルコールイエローを発生させてディクソンの燃費を助けました。
この後、モントーヤは追い上げを見せますが、このダメージは大きすぎました。
一方で、ディクソンは51周目以降はトップを譲らず最多ラップリードの2点も獲得してさらにモントーヤのハードルを上げて同点で逆転タイトルを決定しました。
つまり、ディクソンは最多ラップリードボーナスの2点がなければ、優勝してもタイトル獲得はなかったということです。最多ラップリードボーナスはダブルポイントではありません。
この2点がなければダブルポイントでもディクソンは逆転できていなかったということです。
次々と自滅していったペンスキー勢に対してガナッシ勢はキンボールが3位、カナーンが4位ときっちりペンスキー勢の前でフィニッシュしただけではなく、キンボールもカナーンもサベードラもラップリードを取っています。
うまく作戦を分けて、ポールスターターのWパワー以外のペンスキー勢にはラップリードボーナスを取らせないようにしていたのだと思います。
こうして、Sディクソンとチップガナッシレーシングは本当に一丸となって最終戦を戦い、完ぺきな仕事をこなして望みが薄かった逆転タイトルをものにしたのだと思います。