レース中の無線交信



レース中はピットとドライバーの無線交信のほか、様々な無線連絡が行われています。

ドライバーと直接無線交信するのは基本的に各チームのレースストラテジストが担当します。琢磨選手のチームでいえばラリー・フォイト(写真右手前)です。ピットインの指示やレースの周回数の他、様々なレースに関する情報を琢磨選手に伝え、琢磨選手からのリクエストに対する応答も担当します。

基本的に琢磨選手の声はピットのエンジニアやメカニックも含めて全員が聴くことができますが、ドライバーに直接話しかけることができるのはラリー・フォイトだけです。また、ラリー・フォイトとメカニック、エンジニアへの無線交信はトーンスケルチやデジタルコードスケルチを利用してドライバーには聴こえないようになっています。

レースコントロールからピットの各チームには無線でレースに関する重要事項が一斉通知されます。この無線はレースストラテジストの他、スポッターなどが常時モニターしなければならない決まりになっています。AJフォイトレーシングではラリー・フォイトの他にチーフエンジニアのドン・ホーリデイ(写真奥)とチーフメカニックのトム・ハウワットが聴いています。

その他にもチームには双方向インスタントメッセージシステムがレースコントロールから支給されて直接チームとレースコントロールがやり取りできるようになっています。

実施のレース中にレースコントロールがどのような無線通知をしているのかをアップロードしました。
https://youtu.be/OvukbMZ87y0
私が2010年のミッドオハイオ戦を現地取材に行ったときにビデオカメラに録音したものです。スタートコマンドからチェッカーフラッグまでノーカットです。レースコントロールの他、琢磨選手のチーム無線(KVレーシング)と武藤選手のチーム無線(ニューマンハース)が入っています。

ピットインの時や最終ターンへ撮影に行っている時以外も無線録音のためにカメラはまわしっぱなしです。

このレースは予選4位だった琢磨選手が最初のピットストップでオーバーランして大きく順位を下げて、そのリスタート後にコースアウトしてリタイヤという結果に終わっています。武藤選手は予選12位からオクラッチトラブルでほぼ最後尾まで下がりますが、ラスト5周でバンバン前を抜いて18位まで上がってきています。

0:00:00 スタートコマンドふり
0:06:20 レーススタート
0:36:20 最初のイエローでピットオープン
0:37:50 1回目のピットストップ
0:44:26 リスタート
0:45:15 琢磨選手ターン4でコースアウト
0:46:00 武藤選手、Aロイドのブロッキングに文句
1:05:50 ハーフウェイ
1:21:49 リードチェンジ
1:24:00 武藤選手2回目のピットイン クラッチトラブルでスタートできず
1:26:55 リードチェンジ
1:28:10 リードチェンジ
1:43:00 このあたりから武藤選手が猛烈な追い上げ
1:48:11 残り10周

このようにレースコントロールからはイエローやリスタートに関する告知の他、残り周回数やフルコースイエロー発生時のレースリーダー、リードチェンジなど様々な情報が流されます。

レース中に武藤君とピットのキム・グリーンが無線でケンカを始めた伝説のデトロイトの録画テープは行方不明・・・・。


3件のコメント

    1. NASさん、こんばんは
      周波数は公開されています。
      すべてのドライバーの周波数はスポッターズガイドに出ています。
      レースコントロールは468.8250Mhzです。

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