新型エアロとタイヤのマッチング



今シーズンから導入された新型エアロキットによって、今週末に開幕するインディカーシリーズの初戦は多くのチームにとって未知の領域を残したままでの挑戦となります。

より多くのダウンフォースをより少ないドラッグ(空気抵抗)の中で発揮させるためには200近い新型エアロパーツの中から最適な組み合わせをチームは探し出さなければなりません。しかし、3月13日にNOLAで新型エアロのシェイクダウンを行ってからは最大でも6日しかテスト期間がありません。

新型エアロをまとったダラーラIR-12シャシー(DW12改め)に組み合わせれるファイアストンタイヤはハードタイヤソフトタイヤともに去年のスペックのままになります。しかし、これまで新型エアロとソフトタイヤの組み合わせはまだ誰も試していません。開幕戦の予選でぶっつけ本番となります。

去年の予選コンディションは気温19度、湿度84%、路面温度21度と雨で予選開始が3時間40分も遅れて気温がだいぶ低めでした。ポールポジションは1分01秒8686の佐藤琢磨選手。このタイムを基準にしてどこまで速くなるのかが注目です。

さらに問題になるのが、ソフトタイヤの決勝レースでの耐久性です。数周のアタックしない予選アタックと違ってフルタンクで最大30周近く走る決勝レースはかなり状況が違います。あとはハードタイヤとソフトタイヤを交換した時のパフォーマンスの違いです。この2つもチームは事前テストでチェックすることができません。

ファイアストンタイヤのチーフエンジニアを務めるデイル・ハリグル氏(奥様が日本人なので日本のご親戚がGAORAを見ているそうです)によると、新型エアロキット開発にあたってはインディカー、シボレー、ホンダの3社から様々なデータの提供を受けて、そのデータをもとにシミュレーションを重ねてスペックを決定したとのこと。最終的にはインディカーは車体の浮き上がり防止のためにサイドポッドに大きな開口部を開けた他、いくらかダウンフォースを下げる車体規定を設けたために去年と同様のスペックで問題ないとの判断になったということです。

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